本コラムでは12回にわたって、金属異物除去を目的とした「マグネットフィルター」の情報を発信していきます。第2回は「ステンレスをより除去するための多段レイアウト」です。
前項でステンレス(SUS304やSUS316など)は外部応力が加わることにより、
マグネットにつきやすくなると記載しました。
ただ、吸着力が弱いため、生産ラインでは後ろから材料が流れてくることにより、 押し流されてしまいます。
この対策として、粉体では多段、液体では直列に何回もマグネットの近くを通過させます。
単純に接触確立を上げるというのもありますが、
マルテンサイト化したステンレスは、マグネットの近くを通れば通るほど、
マグネットにつきやすくなる特性を持っているため、
除去効率の向上には、より多くのマグネットを通過させることが有効な手段といえます。
ただし、大きなステンレスはマグネットでの除去が難しいため、注意が必要です。
たくさんのマグネットの近くを通しても、つきやすくなる程度で、
自重が重い、または後からの製品影響を受けやすい(的が大きく当たりやすい)ため、
マグネットでの除去より、金属検出機での検知が向いています。
※詳しくは⑪マグネットフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分けで説明しています。
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②ステンレスとより除去するための多段レイアウト(←本ページ)
④マグネットをどこにつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?
⑥液体用マグフィルター⑵ 高磁力、高効率、ポット、P、ボールマグの使い分け
⑦粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定
⑧粉体用マグフィルター⑵ 前工程(投入方法)での除去効率の差異