本コラムでは12回にわたって、金属異物除去を目的とした「マグネットフィルター」の情報を発信していきます。第4回は「マグネットをどこにとりつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?」です。
生産ラインではいろいろな工程を経て製品が出来上がりますが、
マグネットの設置場所に関しては、生産の品質向上や検査であれば、
一般的には最終工程に近いところを推奨しています。
せっかく異物を除去しても、次の工程の設備から発生してしまえば元も子もありません。
ですので、下記のような終盤フローの工場が多いです。
●生産設備➡マグネット➡包装(袋詰め)➡金属検出機➡出荷
ただし、異物の発生個所が明確であるならば、直後に対策を施すのが推奨です。
また、設備保護の観点から設置するのであれば、設置場所は上流になります。
なお、乾式(粉体)と湿式(液体)のどちらが異物除去しやすいか?という質問をいただくのですが、
正解は湿式です。
乾式では、静電気や分子間で引き合う力など、金属粉に対して製品粉がまとわりついたり、
くっついたりする場合があります。
湿式では製品と金属粉が分散している状態になるため、比較すると湿式のほうが除去しやすいです。
ただし、湿式工程のあとに乾式工程がある場合などは、乾式工程での異物発生リスク対策が必要なため、
どちらも必要になってきます。
④マグネットをどこにつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?(←本ページ)
⑥液体用マグフィルター⑵ 高磁力、高効率、ポット、P、ボールマグの使い分け
⑦粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定
⑧粉体用マグフィルター⑵ 前工程(投入方法)での除去効率の差異