【マグネットコラム⑪】マグフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分け

本コラムでは12回にわたって、金属異物除去を目的とした「マグネットフィルター」の情報を発信していきます。第11回は「マグフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分け」です。

金属検出機を使っているからマグネットはいらないよ。 言われるケースが良くあります。

これは、狙っている異物の大きさによって、お客様の認識が正しいかどうかが決まります。
お客様が除去したい異物のサイズが、金属検出機で反応するサイズで満足するのであれば、
確かにマグネットは不要です。

ただ、たいていの業界の場合、除去したい異物の大きさが、 1㎜より小さなものであることが多く、
1㎜より小さいステンレス粉に関しては 広く普及しているコイル型の金属検出機だと、
検出はよほど条件が良くないと難しくなります。

逆にマグネットの場合は②ステンレスが除去できる理由で紹介した通り、
大きなステンレス(目安は1㎜以上程度)のステンレスは除去が難しくなってくるため、
(鉄は大きくても問題無し) 異物の種類、異物の大きさによって、使い分ける必要があり、
どちらも必要になることが多いです。

ちなみに金属検出機のカタログスペックはあくまで、
非常に条件が良い場合で 実際はそこまでの感度が出ないことがほとんどです。
一般的なコイル型の金属検出機は磁界の乱れを検知して、判定します。
金属が入ると磁界を乱すのですが、他にも、水分や塩分など、 製品自体にも磁界を乱す要因があり、
製品そのものがNGにならないよう 設定する必要があるのと、
製造現場の電源などのノイズなど、外的要因も加わり、
その現場、その製品で、NGの判定値を決めることがほとんどです。

X線検出機に関しては、レントゲンのように投影するのですが、
主には比重の差から、色の濃淡を見るので、製品自体の影響は受けにくいのですが、
画像認識で異物判定のサイズには限界があるため、微細なものはやはり難しくなります。

金属検出機、X線検出機も、エイシンでは取り扱いがありますので、
除去したい異物がどのようなものなのか相談いただければ、 適した装置を提案いたします。

 


①マグネット(磁石)で除去できるもの

②ステンレスとより除去するための多段レイアウト

③マグネットを取り付ける目的

④マグネットをどこにつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?

⑤液体用マグフィルター⑴ 選定の基準、流速と粘度

⑥液体用マグフィルター⑵ 高磁力、高効率、ポット、P、ボールマグの使い分け

⑦粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定

⑧粉体用マグフィルター⑵ 前工程(投入方法)での除去効率の差異

⑨粉体用マグフィルター⑶ バーマグネットとプレートマグネットの着磁距離と使用用途

⑩粉体用マグフィルター⑷ 充満状態での使用

⑪マグフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分け(←本ページ)

⑫磁力の低下要因と磁力計測について

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