【マグネットコラム①】マグネット(磁石)で除去できるもの

本コラムでは14回にわたって、金属異物除去を目的とした「マグネットフィルター」の情報を発信していきます。第1回は「マグネット(磁石)で除去できるもの」です。

生産設備で広く使われている金属材質として「鉄とステンレス」があります。金属とマグネットの関係性として、一般的には鉄はマグネットに付く、ステンレスはマグネットにつかないと認識されています。

この認識は鉄に関しては間違いありませんが、ステンレスに関しては必ずしもそうではないといえます。なぜなら、ステンレスがマグネットにくっつく場合もあるからです。

ではどういったステンレスがマグネットにくっつくのでしょうか。

答えは2通りあります。

①元々マグネットにつく配合のステンレス

②元々マグネットにはつかないが、組成変化によってつくようになったステンレス

 

①から見ていきましょう。

ステンレスは合金です。合金とは様々な素材を合わせた金属で、合わせる素材の配合によって金属を錆びにくくさせたり、強度を増したりなど+αの付加価値をつけることができます。

つまり、一般的に「磁石につかない」ステンレスでも、合わせる素材によっては磁石につく」ステンレスもあるということです。

身近なものの例でいうと台所のステンレスシンクがあります。

こういったものだと生産ラインに入ってきたとしても、鉄と同様にマグネットで除去することができます。

 

本コラムで重要なポイントは②です。

ステンレスと一口に言っても、①でも触れたように素材配合によって様々な種類があります。

特に生産設備においては耐食性、強度、加工の容易さの面からSUS304、SUS316という種類のステンレスがよくつかわれます。

これらのステンレスは基本的にはマグネットにつかないのですが、切削や曲げ加工といった外部応力が加わることにより、マグネットにつきやすくなります。

専門用語でいうとオーステナイト系ステンレスのマルテンサイト変態といいます。

ただし、外部応力が加わったSUS304が、急に鉄のようにしっかりとマグネットにくっつくわけでなく、吸着力としては弱いです。

 

生産ラインに異物として入ってくるものは、粉砕機や供給機、ポンプなどの回転体の摩耗粉が多く、これらは上記の説明の通り、吸着力の弱い金属粉です。

ですので、こうした吸着力の弱い金属粉を除去するために、適したマグネットを選定する必要があります。

 

なお、生産ラインの異物除去でマグネットに全くつかない金属もあります。銅やアルミなどです。

これらは生産ラインに混入してまうと除去が難しいため、そもそも混入しないようなプロセス設計が必要です。

 

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①マグネット(磁石)で除去できるもの←本ページ

②ステンレスとより除去するための多段レイアウト

③マグネットを取り付ける目的

④マグネットをどこにつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?

⑤液体用マグフィルター⑴選定の基準、流速と粘度(後日掲載)

⑥液体用マグフィルター⑵高磁力、高効率、ポッド、P、ボールマグの使い分け(後日掲載)

⑦粉体用マグフィルター⑴選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定(後日掲載)

⑧粉体用マグフィルター⑵前工程(投入方法)での除去効率の差異(後日掲載)

⑨粉体用マグフィルター⑶付着対策、パージノズル式、ロータリー型、しずく型(後日掲載)

⑩粉体用マグフィルター⑷自動清掃型、スクレーパー式とアウターパイプ式の比較(後日掲載)

⑪粉体用マグフィルター⑸バーマグネットとプレートマグネットの着磁距離と使用用途(後日掲載)

⑫粉体用マグフィルター⑹充満状態での使用(後日掲載)

⑬マグフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分け(後日掲載)

⑭磁力の低下要因と磁力計測について(後日掲載)
 

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