【マグネットコラム⑦】粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定

本コラムでは12回にわたって、金属異物除去を目的とした「マグネットフィルター」の情報を発信していきます。第7回は「粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定」です。

粉体用マグフィルターについては、液体用マグフィルターに比べ、
やってみなければわからないという側面が強くなります。
(これは、マグネットに限らず粉体装置全般に言えると思います)
処理量に関しては、このような性状のものが、1時間あたり何キロ流れる、
というようなものから、口径はこの程度と、予測は付きますが、
例えば同じ製品名であったとしても付着性の高い物性のもの、 そうでもない物性のものなど、様々あるため、
是非実粉テストで、 確認させていただければと思います。

マグネット同士のピッチについては、 エイシンの1.2Tの格子形状では、基本は50㎜ピッチとしています。
φ25のマグネット同士の間を25㎜あけ、ちょうど真上から見ると 全てが埋まっているように設計します。

ただし、標準だと、詰まってしまう粉もあります。
バーマグネットは、数ミリ単位で、離れれば離れるほど磁力は極端に下がるため、
できる限りマグネット間のクリアランスをあけたくないのですが、
詰まって材料が流れないと、元も子もありません。

詰まりやすい粉は最低限、安息角は確認したいのですが、
こちらもやはり実粉でテストができるのが理想です。
エイシンでは上下の間隔、左右の間隔を、数ミリ単位で調整できる、 確認用のテスト機を持っていますので、
是非最適な条件を確認し、 設計に反映することが可能です。

磁選機、流量確認用テスト

なお、段数に関しては除去したいものによります。
除去したいものが鉄であれば材料や流量にもよりますが、2段くらいを推奨します。
ステンレスであれば②ステンレスとより除去するための多段レイアウトに記載の通り、
多ければ多いほど除去効率はアップします。
ただスペースも予算も限りがあり、お客様毎に求める品質も異なるため、
理想はテストでの検証を推奨しています。
(業界別に大体の推奨のお話をすることも可能です)

またマグネットを既存設備に後から取り付ける場合は、
「この面間、スペースの中で出来るだけ効率的に」と
ご依頼いただくことも良くあります。

お気軽にご相談ください。


①マグネット(磁石)で除去できるもの

②ステンレスとより除去するための多段レイアウト

③マグネットを取り付ける目的

④マグネットをどこにつけるべきか?湿式と乾式はどちらが優位か?

⑤液体用マグフィルター⑴ 選定の基準、流速と粘度

⑥液体用マグフィルター⑵ 高磁力、高効率、ポット、P、ボールマグの使い分け

⑦粉体用マグフィルター⑴ 選定の基準、口径と処理量、ピッチの決定(←本ページ)

⑧粉体用マグフィルター⑵ 前工程(投入方法)での除去効率の差異

⑨粉体用マグフィルター⑶ バーマグネットとプレートマグネットの着磁距離と使用用途

⑩粉体用マグフィルター⑷ 充満状態での使用

⑪マグフィルターと金属検出機、X線検出機の使い分け

⑫磁力の低下要因と磁力計測について

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