一つの混合機で、何でも均一に混ざれば理想ですが、実際にはどんな混合機にも得手・不得手があります。
今回はタンブラーミキサーをはじめとする、容器回転型混合機全般の苦手なものと、その対策をまとめました。
なお、混合機の種類や特徴、選び方を基礎から確認したい方は、粉体混合機の基礎知識、種類・特徴・用途・選び方をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
目次
容器回転型混合機が苦手なものとは?
容器回転型混合機は、材料にダメージを与えにくいソフト混合が大きな特長です。一方で、ダマを崩す力、壁面からかき落とす力、強制的に分散させる力は強くありません。そのため、材料の性質によっては混ざりにくさや偏りが生じることがあります。
混合機の選定では、単に「混ざるかどうか」だけでなく、粉体の性質や工程条件との相性を見極めることが重要です。混合機全体の種類や違いを先に整理したい場合は、混合機の基礎知識ページも参考になります。
①凝集性がある粉体
ダマになりやすいものです。
材料にダメージを与えない、ソフト混合がメリットですが、
反対に、崩す力はありません。
対策
対策としては、チョッパー付きを使うことです。ダマの解砕が重要な場合は、混合方式の違いによって結果が変わることもあるため、実機テストで比較するのがおすすめです。
混合機のダマの解砕具合をテスト比較、タンブラーVS羽根付きミキサー
②付着性の高い粉体
こちらも①同様に、かき落とす力がありません。付着性の高い粉体では、壁面や容器内面に材料が残りやすく、混合ムラや排出性の低下につながることがあります。
対策
対策は容器の内面コーティングを一度検討してみてはいかがでしょうか? 材料によっては内面処理の違いで付着の程度が変わることがあります。
③静電気を帯びやすい粉粒体
特に樹脂ペレットの混合時に多く見受けられます。
容器が樹脂のときも、電気を逃がさないので、発生します。
対策
帯電防止袋をテストしてみませんか? 静電気による付着や偏りは、混合条件だけでなく使用部材によっても変わることがあります。
帯電防止袋は10枚単位の販売もしています。
帯電防止袋の10枚単位の販売開始
なお、回転数によって、解消されるかもしれません。以下記事を参照ください。
【混合機テスト】回転数で変わる混合性能と静電気|60rpmと30rpmの比較検証 | エイシンブログ
④粉体に対して液体の滴下
①のように液でダマになってしまったり、②のように液が壁面についてしまったりすると、崩しにくい、剥がれにくいことがあります。粘度が高い場合に多いです。
対策
対策としては、液を入れる場所で解決できることもありますが、理想は噴霧して、液体の粒子を小さくして分散してあげることです。
タンブラーの動きでは難しいのですが、ミキシングシェーカーで対応します。テストでは霧吹きなどで簡易テストをします。
⑤比重差の大きな粉体同士の混合
回っている間に軽い粉は上に、重い粉は下に動くことがあります。回転数によっては、比重の重い粉が遠心力の影響を受けやすいので、比重差があるとうまく混ざらなことがあります。
【混合機】比重差のある材料は混ざるのか?回転速度別に検証 | エイシンブログ
回転数や混合時間で解消できることもあります。混ざらないからといって長く回していると、せっかく混ざったものが再分離することもあります。
まとめ
以上、代表的な例を紹介しました。
容器回転型混合機は、やさしく混ぜられる反面、以下のような条件では苦手が出やすくなります。
- 凝集性があり、ダマになりやすい粉体
- 付着性が高い粉体
- 静電気を帯びやすい粉粒体
- 粉体に対する液体の滴下
- 比重差の大きな粉体同士の混合
混ざりにくくてお困りの場合は、お気軽にご相談いただけますと幸いです。
(厳しい場合も多々ありますが、がんばって考えます!)
なお、混合機の種類ごとの特徴や用途を整理したい場合は、粉体混合機の基礎知識、種類・特徴・用途・選び方をわかりやすく解説もあわせて確認してみてください。
よくある質問
容器回転型混合機はどんな材料に向いていますか?
壊れやすい粉体や粒体、比較的流動性の良い材料に向いています。材料にダメージを与えにくい点が特長です。
ダマになりやすい粉体には向いていますか?
容器回転型混合機はダマを崩す力が強くないため、凝集性が強い粉体ではチョッパー付き機種や別方式の検討が必要になることがあります。
粉体に液体を加える工程でも使えますか?
条件によっては対応できますが、液体の粘度や投入方法によってはダマ化や壁面付着が起こりやすくなります。噴霧などの工夫が有効です。
混合機選定で大切なことは何ですか?
粉体の粒径、比重、流動性、付着性、凝集性、水分などの材料特性と、求める混合精度や工程条件をあわせて考えることが重要です。詳しくは混合機の基礎知識ページもご参照ください。
執筆担当者:尾山
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