【技術ブログ】ボールミルでローラーの回転数から容器の回転数を計算するには?

卓上のボールミルでは、直接モーターで容器を回すのではなく、
「容器がローラーの上を回転する」という構造が一般的です。

そのため、「ローラーの回転数(rpm)」から「容器の回転数(rpm)」を計算する必要があります。
各メーカーではローラーの回転数を書いている場合も多いため、
容器がどれくらいで回るのか計算する必要があります。
今回はその基本的な考え方をご紹介します。

■ 計算の考え方
容器がローラーの上を転がるとき、接触している部分の「周速」が同じになるという特徴を利用します。
つまり、ローラーの円周が1分間で進む距離と、容器の円周が1分間で進む距離は同じということです。
この考え方を使えば、以下のような式で容器の回転数を求めることができます。
容器の回転数 =(ローラーの直径 ÷ 容器の直径)× ローラーの回転数


■ 具体例で見てみましょう
たとえば、以下のような場合を考えます。
・ローラーの直径:φ40mm
・容器の直径:φ300mm
・ローラーの回転数:540rpm(1分間に540回転)

この時の容器の回転数は、
容器の回転数 =(40 ÷ 300)× 540
       = 約72rpm
つまり、容器は1分間に約72回転していることが分かります。

■ なぜこれが大事なのか?
卓上のボールミルでは、ポット内の充填率が重要になり、
粉砕したい量によって、ポットを乗せ換えることが良くあります。
ただ、大きなポットも小さなポットも同じローラーの回転数で使っていると、
粉砕効率が悪い場合があります。
ポットの直径により、適した回転数の目安があるため、
計算し、設定できるようになる必要があります。

■ 注意点
今回の計算はあくまで計算値で、実際は運転条件や材質などにより、
ローラー上で容器がスリップしたりする可能性も有るため、
実測で確認することをお勧めします。

■ おわりに
今回ご紹介した計算はとてもシンプルですが、現場では意外と知られていないこともあります。
こういった場合はどうなのだろうなど、
ご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 執筆担当:尾山

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